日本の緑茶の6つの種類とそれぞれの特徴

日本の緑茶の6つの種類とそれぞれの特徴

世界で愛されているお茶の中でも近年、その健康効果に注目を集めている緑茶。世界で最も緑茶を製造している国は中国で、2番目は日本です。日本では茶のほぼ100%が緑茶として加工されており、日本人には馴染みのあるお茶です。

しかし緑茶にも様々な種類があり、それぞれ味や色、香りが異なります。あなたは「日本茶」と聞いてどんなお茶を思い浮かべるでしょうか?

今回は緑茶の中でも日本茶の種類について解説していきます。例外的に日本でも紅茶や烏龍茶などが作られていますが、ほとんど製造されていないためここでは緑茶に絞って解説していきます。

 

そもそも緑茶は他のお茶と何が違うのか?

まず最初に、「緑茶」の定義と分類がどのようになっているかを見てみましょう。

「チャノキ」から作られる茶は、発酵の度合いによって3つに分けることができます。そのうち無発酵茶を「緑茶」、半発酵茶を「烏龍茶」、全発酵茶を「紅茶」と分類しているのです。

緑茶はその名前にあるように「緑色のお茶」というイメージが強いですが、緑茶という分類は茶葉の「発酵度」によって定義されるものなのです。発酵させないお茶、つまり発酵度0%の茶のことを緑茶というため、水の色に関係なく「緑茶」に分類されるのです。実際、日本茶の中には色が黄色の緑茶も存在します。

 

日本茶の種類

では本題の日本茶の種類についてです。日本では緑茶は最終的に以下の茶に加工されます。

  • 煎茶
  • 玉露
  • 抹茶(てん茶)
  • かぶせ茶
  • 番茶
  • 玉緑茶

 

 

生産量比率

上記した日本茶ですが、日本でそれぞれの生産量は以下のようになっています。(2020年の統計

 名前 生産量(t) 生産割合(%)
煎茶 42,555 53.6
玉露 222 0.3
抹茶(てん茶) 3,464 4.4
かぶせ茶 3,303 4.2
番茶 25,421 32.0
玉緑茶 1,955 2.5
その他 2,433 3.0

 

ご覧の通り、「煎茶」と「番茶」で全体の約85%を占めているのが分かります。「日本茶=抹茶」と考えている人にとっては、抹茶の少なさに驚くかもしれません。

 

それぞれのお茶の特徴

ではこれらのお茶について次の項から少し詳しく解説していきます。

煎茶

生産量を見てもらえば分かるように、日本茶といえばその多くは煎茶です。実際日本人には緑茶の中でもっともよく飲まれているお茶です。

定義としては、茶葉を「蒸して揉む」ことで作るお茶のことを煎茶と言います。茶葉を畑で摘んでから、新鮮なうちに熱処理することにより酵素の働きを止めて発酵が進まないようにし、揉むことで乾燥させながら茶葉の形状を整え、保存性を高める工程を踏みます。

煎茶は甘味、旨味、苦味、渋味がバランス良く生成され、独特の爽やかで透明感のある香りが特徴です。

厳密には煎茶は「蒸す時間」によって「あさむし(蒸し時間が短い)」と「ふかむし(蒸し時間が長い)」という分類に分かれ、それによって水の色や味が違います。例えば、「浅蒸し煎茶」は黄色に近い色で、「深蒸し煎茶」は深い緑色をしています。

 

玉露

日本茶の中でも高級品となっているのが「玉露」です。

これは木の栽培時に「ひふく」という工程を約3週間行うことで作られます。「ひふく」とは、葉の上に黒い布を被せて、わざと日陰にして光合成をさせないことです。そうすることにより木の栄養素が葉に凝縮し、苦味成分の蓄積が妨げられます。収穫後の加工方法は煎茶と同様です。煎茶に比べて栽培に手間がかかる茶であるため、価格は高くなるのです。

旨みが豊富なコクのある味わいが特徴で、「おおいか」と呼ばれる特有の香りも楽しめます。

淹れ方にも特徴があり煎茶よりも低い60℃前後の温度のぬるめの湯でゆっくりと2〜4分をかけて抽出することが推奨されています。

福岡県の八女地方の一部では黒い布の代わりに藁を用いて覆う伝統的な栽培が今も行われています。

 

抹茶(てん茶)

玉露と同じく「ひふく」を行った茶葉を使用します。違いは加工方法です。蒸したあとに「揉む」ではなく「乾燥」させて葉を粉末状にしてできるものです。

栽培だけでなく、加工にも手間がかかり、粉末にするための専用の装置が必要なため、日本茶の中で最も高級なお茶になります。

味はまろやかで、苦みや渋みが少なく、旨味(甘み)が濃厚で後味が良良いのが特徴です。上級品になるほど色は鮮やかな緑色をしています。

 

かぶせ茶

かぶせ茶は栽培のときに、玉露・抹茶と同じく「ひふく」を行いますが、その期間がやや短い(約1週間)のが特徴です。そのため玉露と煎茶の中間のような味わいです。

玉露のようなかぶせ香・旨みと煎茶の爽やかさを両方楽しめます。水色・茶葉の色が玉露同様に緑が濃いめで鮮やかなのが特徴です。

 

番茶

日本茶で2番目に生産量が多い番茶。お茶は1年で最初に収穫された葉が一番おいしいとされており、このお茶を「しんちゃ」と呼びます。

番茶は「しんちゃ」以外の硬い葉や茎、選別された後に残った大きく育った茶葉など、やや他の日本茶よりも質が落ちたものを使っているのが特徴です。

若い葉ほどカフェインを多く含むため、成熟した茶葉を原料とする番茶はカフェイン含有量は他の日本茶より低く、体にやさしいお茶として知られています。

番茶は質の低い葉を使っているから味が不味いわけではありません。番茶はまろやかで甘く、苦みが少ないのが特徴です。また多くの番茶が紅茶よりも濃い茶色です。

また番茶は日本茶の中でも価格が安いことから、毎日飲む飲み物として日本では親しまれています。

京都には、茎や枝ごと刈った茶葉を強火で炒ることによって独特のスモーキーな香りを楽しめる「京番茶」というものがあります。

 

玉緑茶

Source:https://hazuki097.stores.jp/

独特な形をしている玉緑茶。

基本的な栽培方法や加工方法は煎茶と同じですが、加工方法の1つがスキップされており、葉をまっすぐな形に整えません。そのため少しカーブした針金のような形しています。

煎茶に近い味ですが、煎茶よりも渋みが少なく、まろやかな味わいが特徴です。

日本では佐賀県の嬉野地方で多く生産されています。

 

違いが楽しめる日本茶の世界

製法によりいくつもの種類に分かれる日本茶。実際には生産している農家のよって個性があり同じ種類のお茶でも違った味が楽しめます。また日本では茶の種類に応じてカップの厚みを変えるなど、風味や味をより楽しむ人もいます。

あなたがその日の気分に合った最適な日本茶を見つけられることを願っています。